第17捕虜収容所 

さてさて、どこまで語れるか。。
一応ネタバレとして隠しておきますので、皆様のご判断で読んで下さいまし◎


※ものすっごく長くなりましたので、長文注意でございます(苦笑)



まず全体的な感想ですが、今回はネタバレとかひっかかるというか…見る暇なくて、内容もほとんど知らずに見たのですが、、
まず自分の初見は、自分も舞台上の人物とリンクして、全てのキャストを疑って見ていた…つまり自分もスパイを探している状態で舞台がスタートしたという事に帰りのバスで気がつきました(笑)「あ、こいつかも。でもこういう奴に限って黒なんだよな…」なんて見ていたのですが、そう考えると8人の登場人物を自然と目で追うように見ていて、今日の席はかなりの良席だったのですが、あ〜こんなに近い〜とかテンション上がるのは結構早くに消えていたかもしれません。


目の前にいる役者さんの息を潜める空気とかが伝わってくるし、セフトンが作る目玉焼きの香ばしい匂いに、ついつい舞台を見ているのを忘れて「おいしそう…」と呟きそうになりながらも(笑)すごく臨場感溢れる舞台というか。。戦争ものでシビアな所はありますが、どこか舞台に入っていきやすいのがありがたかったです。
そして上手の席で見ていたせいか、シュルツ伍長がその暖炉でのスパイのやり取りをしているっておいう場面を見てから、音が聞こえるんですよね。誰だろう?ってドキドキしていたんですが、暗転の為見ることは出来ず(当たり前よ)その後はスピーディに繰り広げられる群像劇に案外笑いっぱなしで(苦笑)あの○トラーをバカにして、シュルツ伍長をみんなで追いかけるのが爆笑です!(これがタイトルのちょび髭です:笑)


で、最後まで明かさないのかと思ったスパイの正体が以外と中盤辺りから見てしまった訳ですが。プライスがスパイって知った時はすごくショックだったのですが、このある程度の処でいわゆるネタバレをしてしまうのが、実は意外に効果があるんだなとも思ったり。私はドラマとかで犯人が暴かれるのは最後の方がいいとおもっている訳ですが、舞台だと回想シーンというものが出来ませんから、まさにドラマの24じゃないですけど、今まで隠されていた筈なのに、その事実が明らかになる事によって、スパイの心理や行動が、捕虜全員の推理と同時進行していくっていうのが、また面白いなと。


終盤はセフトンが巧みにプライスを追いこんでいく訳ですが、まさに犯人ほど意外と饒舌な者はなしというか、追い込まれたプライスが、今までは巧みに捕虜たちから聞き出していた話術も、セフトンの先回りの言葉によって封じられ、更に追い込まれていく。まわりはまだセフトンをスパイだと悟らないまま、セフトンだけがスパイにチェックメイトを打つべく、攻防を繰り広げているのもかなりの見物だと私は思う。


最後にダンバーを捕える為に、脱走を志願したプライスを止めるのが、最初はセフトンも信じていなかった(のかな??)ホーニーが半年ぶりに上げた叫び声と共に、プライスを突き飛ばしたのには、ゾクゾクっとして、すぐさまぐっときた!その声の大きさとかが一瞬怖いくらいで、でも必死に真実を知らせようとするセフトンの為に封じられていた声を解き放ってというのがぐっときた。


で、これが寂しいかな、戦争という悲劇にのせいで、仲間との間に初めて芽生えた信頼と絆が、スタートであり、さよならの為であるのがつらい。
ずっとセフトンに激しい疑いをかけていたデュークが
「俺はずっとお前を疑っていた」
「知ってたよ」
にはちょっと笑わされ、
「ごめん!」
と、すぐに謝ってしまうデュークのまっすぐな気持ちはとても微笑ましかった。
「じゃあな」
と、今までとあまり変わりなく出発しようとするセフトンの顔は、やはり晴々としていて、穴倉に入る前にデュークに何か(聞き取れなかった)ある?と聞いたのも、どこか仲間に対する思いというものがあったのかもしれない。

最後までプライスをかばい続けたリーダーの気持ちというのは、それだけプライスを信頼していた気持ちの表れであり、やはりみんなを束ねるリーダーだ!と、思ったが、セフトンとダンバーが見張りに見つかりそうになった時、迷わずプライスを外に放り出したのも、また仲間を守るためだったのだと思ったが、「早すぎ!(笑)」と思ってしまった我々である。


そして聞こえた爆音に「え?捕まったの?」と驚いたが、それはセフトンがドイツ兵に一泡吹かせた結果であり、数分前まで疑いあっていた仲間たちは、脱走した仲間の仕掛けた作戦に、明日くるともわからない未来に、爆音の中、みんな充実した顔で舞台は幕を閉じました。
これは成功なのか、失敗なのか。相変わらず戦時中の舞台というのは結果を出すことの出来ない物ですが、多分、この後第17捕虜収容所、バラックは取り壊されると思いますし、脱走した2人が逃げ切れるとも確証は出来ないのですし。。結果としてどうなるかわからないのではありますが、『ノーマンズ』の時よりはなんとなく気持ちの沈み方は大きくなかったな〜と思います。


で、思いっきり捕虜の皆様の視点で見てしまったのですが。。私的に(&鏡さん)大好きなシュルツ伍長を踏まえての視点となりますと、実はシュルツ伍長は捕虜たちから情報をとるためだけに仲が良かったのかな〜と思っていた訳ですが。舞台中、私が一番ホロっときたのはシュルツ伍長の


「俺は英雄なんかじゃない!戦争なんか嫌いだ!平和主義なんだ!」


と、いうセリフでした。プライスというスパイから情報は仕入れていた訳ですが、これは任務であり、シュルツ伍長としては、何もない世の中ならば、気の置けない男友達と遊ぶような感覚だったのかもしれない。リーダーを鞭で拷問する時も、やるせない表情で署長を見ては、伍長もある意味逆らえない兵隊として、自分が居心地が良いと思ったこの収容所のリーダーを拷問するしかなかったのかもしれない。だいたい戦争ものは分かり合えない物語が多いものですが、今回のシュルツ伍長みたいな登場人物は珍しいのかもしれない。


ま、まだまだ語りますよ;

まずはセフトン=健ちゃん。これまた今までと違って、ものすごく素敵だった。いわゆる自分を押し殺す演技とでもいうのでしょうか。坂本君がトニセン芝居の最後に挑戦していた、自分の感情を外に出さないけど、舞台から存在を消しちゃいけないっていうのに近いなと思いました。舞台はだいたい他の捕虜の皆さんで場面が動いているのですが、その脇でセフトンの行動、視線、仕草の一つ一つが全員に対する憤りであったり、心配であったり。
これまたビジュアルもなんかアメリカンな感じで(どんなだ)、前髪の緩いウェーブが好みです!!そして健ちゃんの横顔がとても精悍で!!どうしても中世的なイメージが強いので、どこか「かわいい」と思ってしまう私ですが、今回は「かっこいい(ハート)」なトニコンのイノッチみたいになってました(笑)
足を引きずる姿はとても痛々しく、、思わず「あんた北島マヤみたい」と心でつぶやきつつ、最後の投げチュウにやられました!
とにかく、舞台上での存在感というのが、セリフのなさを感じさせないすごさがありました。「僕より他のみんながかっこいいので観て下さい」なんて言ってたけど、あんたがカッコイイよ!!


大好きなシュルツ伍長!!もうね、幸太郎大好きだー!!!まさかこんなに近くで見れると思っていなかったので、ハッキリ言ってかなりウハウハな気持ちで見に行ったとです。。で、最初捕虜の仲間かと思ったら、監視役だったのですね!!もう、軍服が素敵vvもしやこん棒なんて持ってるから、差し詰め「ドS?」と思ったら、めっちゃかわいいでやがる!!出てきては「俺の頭痛の種をつくらないで下さいよ」とか「僕はみなさんが大好きですから」とか「(高級なお酒を前に)あ〜〜ひさしぶりですぅ〜」とか「夢にまで見たチョ、チョコレート」とか数々のツボポイントが多い方です。そのスタイルの良さをフンダンにいかした軍服も霞んで見えるかわいさ!!でも最後までやっぱり捕虜達に優しかったな〜。本当に平和主義なんだな〜と思わせる人。だってSSの囚人を逃がしてしまった罪でおそらく最前線に出されるんだろうに、掴みかかるくらいで「僕はみんなと楽しくのんびり過ごしたかったんだ」と言ってしまうあたり、戦争に一番不向きなのかもしれない。


私の見たかった人2番目がプライスの袴田くん!!いや〜でっかくてかっこいい〜。。最終的にスパイであり、射殺されてしまったのですが、実に安全部長としての彼はカッコ良かった!まさに懐の深いアニキ!って感じで、マルコーとダンスする姿はかっちょいいことこの上ない!!スパイだとわかった後の演技はいとしてか、結構視線とか本当に細かく演じていて。前半はうまくスパイとして功績をあげていた訳だけど、もしかしたら、その調子の良さが最後の失敗につながったのかもしれない。最後の方でシュルツ伍長とのドイツ語のやりとりはわからんが素敵だったvv前半の兄貴分として申し分ないのが残念に思えるくらい男前でした!あのおっぱいとおしり談義する捕虜の皆様が大変おもしろかったvv


あと意外にも斎藤洋介さんを見ることが出来たのは嬉しかった。最近は某ジャニ番組でコントしてたり、優しい人の役が多いせいか、久々にみたエーベルバッハ大佐のあの気持ち悪いくらいのドSっぷりが怖かった!そうだよ、昔は怖い役多かったじゃん!と再確認する思いだった。また鞭が似合いますね(苦笑)そして軍服も。。で、まさかの視察官の二役とは思わなかったので、出て来た時大爆笑でしたわvv
同じ舞台上でこんなに正反対な役でも十分いけるってやはり素晴らしいですよね。



で、他のキャストの皆さんもすごく素敵!!沢山語りたいのですが、いい時間になってきたので、かいつまんで(笑)
■デュークは物凄いまっすぐなテキサス人。きよしこの夜で泣いてしまう辺り、寂しがり。だからこその正義感の強さなのか。最後にセフトンに真っ正直に謝ってしまう辺り可愛いvvセフトン達が起こした武器庫爆発を誰よりも喜んだ表情をしていたのは彼かも知れない。
■ハリーは本当にムードメーカー。そのモジャ毛がかわいい。クリスマス郵便を誰よりもらって誰より喜んだのに、借金の取り立てって寂しいね(苦笑)あ〜その辺見なかったな。。私。
■リーダーは頼りなげだけど、ほんとにリーダーがいないとリンチが起きてしまう辺り、人望が厚いんだと思う。しかし奥さんからの意味深な手紙をもらって錯乱していたのには笑えた!「もう帰る!!」「どこにだよ〜!!」と総ツッコミされちゃうしね。
■ストッシュさんはドラマとかでよく見るお顔◎舞台に出てもいい感じで脇を締める人なんだな。ハリーとのやり取りが多かったので、彼もムードメーカーそしてホーニーの保護者という感じ。
■ホーニーは、途中途中もそのマイペースさが笑えた!ごはんいっぱいよそってしまうとか、案外セフトンは最初からホーニーには優しかったね、目玉焼き上げたりさ♪最後は信じてくれたホーニーの為にトランクの中身をセフトンが託したのがほほえましかった。
■マルコー。実は結構ツボでした!そのやられっぷりが(笑)もう小僧というより小姓だろ?と思わず突っ込みたい衝動がふつふつと(笑)クリスマスイブのダンスではデュークの誘いを断り、プライスに向かったあたりナイス(笑)かわいいな〜こいつと思ってしまった。けなげに連絡事項を話そうとしては、誰も相手にされずにすねたり、さらにいじられたりと案外愛されてるマルコーなのでしたv


あい!!終わり!!長すぎ!!でも楽しかった!!カーテンコールは3回かな?アナウンス流れたけど、みんながんばって拍手していたら出てきてくれて、挨拶してくれたねvv最後は全員で「あるがとうーございましたー」ってまさに男子校というより、部活動な感じがさわやかでした!
そうそう、始まる前の劇場の音楽とかいい感じ!あの軍艦マーチみたいなの。あと、爆音が楽器の音ってのもなだか乙ですねvvちなみに音の響きが強くて、暗転なのに私の視界には波のように広がってました。それって私の眼が疲れてたから?(笑)